時として残酷過ぎる現実～ザンボット３の人間爆弾～
ザンボット３
１９７７年に放送されたロボットアニメである。
そのあらすじは、
悪の異星人組織ガイゾックが地球侵攻を開始した。
かつてそのガイゾックに母星を滅ぼされたビアル星人の末裔である神ファミリーがザンボット３を駆使して迎え撃つ・・・というストーリー。
神勝平
神北恵子
神江宇宙太
歴代のアニメの悪の組織の中でも史上最悪クラスのガイゾックに対して勇猛果敢に戦うのだが、
髭の老人が神ファミリーを率いる神北兵左衛門。神ファミリーは神家、神北家、神江家から構成される。
一般にテレビアニメや特撮番組では、町が破壊されたり犠牲者が出てもある程度は仕方ないという風潮があり、基本的に作中、劇中の一般人は悪の組織や怪獣、宇宙人と戦う正義の組織やヒーローを応援しているのだが、
ザンボット３（神ファミリー）は「お前らがいるから地球が狙われるんだ」といった類の罵声を常に浴び、支持率は限りなくゼロである。
誰にも頼まれていないのに孤独な戦いを続けなければならない、同時に自分たちがいなければ地球は速攻でガイゾックに侵略されるというジレンマを抱えている。
そのザンボット３では、あの「有吉マツコの怒り新党」でも取り上げられた、アニメ史上類を見ない凄惨な放送回がある。
第１７話
違うよ！！(苦笑)
これが怒り新党放送時のキャプチャー
避難民収容所ということで集められた人々。だが、その実態はガイゾックの収容所であり、そこには当然邪悪な目的があった。
夜中にどこかへ連れ出された、勝平の仲間で香月組という不良少年グループのメンバー林の背中には奇妙な★マークがついていた。
浜本の背中にも同様の★マークが・・・
実はこの★マーク、とんでもないものだった。
暴れるガイゾックのメカ
林が吸い上げられた
ドカーン！！
これはガイゾックのミスによる「誤爆」だったが、
ミチという女の子と共に勝平から親衛隊と呼ばれていた「ブスペア」のアキも
人間爆弾に改造されており、
ピカッ
無惨にもキングビアル船内の勝平の部屋で爆発した。
自分の死期を悟り「カッコよく死なせてくれ」といきがる浜本くん。
同じく爆弾にされた人々ともに、他人に迷惑をかけないように地平線の彼方にトボトボ歩いていく
死にたくないよ～！父ちゃ～ん！母ちゃ～ん！
無駄な足掻きと他の人間爆弾の人たちに止められる
ピカッ
ドッカ～～～～ン
どうすることもできなかった勝平たち
私は未だにトラウマになっている。スイミングスクールに通っていた頃は先生や他の生徒の背中を必ず見た(苦笑)
現在ではこんな描写はまず番組スポンサーからオッケーが出ないばかりか、イスラム過激派の同様の攻撃手段が現実にあり、地上波での再放送も難しいと思われる。
浜本は途中まで男らしかった。カッコよかった。
しかし、さすがな死への恐怖から心が揺らぐんですよね。逃げる浜本も、それを押さえるのも爆弾になった人達。
そして、残酷なせりふ。
「爆弾になった者を、人様のいるところにやるでない！」。
爆弾にされた人々に罪はないというのに。
悲しい問題作。トラウマ上等ならＤVＤでも借りてきて見てほしい。
