名盤アワー②「GASTUNK/ジェロニモ」
私は奇跡のアナログ盤(当時物)を持っている。
いちいちブログで説明しないが、当時のハードコアパンクシーンの凄いメンバーたちが集まった。
もともとこのバンドはメンバーの入れ替りが激しくライブを見ているほうもわけのわからない状態だったが、この不動のラインナップになり人気も実力も急上昇した。
▲ジェロニモ
言わずと知れたあのジェロニモである。名前だけなら日本人の知名度も抜群である。
さて、冒頭のシングルレコードのジャケット写真は貴重なジェロニモの「公式写真」であるが、これは実はきちんとアメリカのネイティブアメリカンの団体のところに出向き正式に使用許可を頂いたものだそうだ。
当時としては異例中の異例というか快挙である。
しかし、今聞いてみると一見失笑もんなのが歌詞である。
「これ、安いマカロニウエスタンの映画じゃん!」
ジェロニモは写真からもおわかりのようにモヒカンじゃないし、「酋長」でもないし、
歌詞には首切りだとかスカルピングなんて物騒な単語が出てくるし、
♪サソリ砂漠サボテン~
これには参った(笑)
しかし、ボーカルのBAKIが、情熱の炎の如く激情の極みで歌う迫力に圧倒される。
私は言っちゃ悪いがスチュワーデス物語とダブるんだよね。
JALの社員が書いた半ばノンフィクションのスチュワーデス(当時の表記)の奮闘記をドラマ化してもらったら、まさにそのマカロニウエスタンのようなメチャクチャなドラマにされてしまった。
しかし、国民的人気ドラマになり一大ブームになってしまった、というアレ。
当時のハードコアパンクとしては前列がなかったと思われる軽快なウエスタンロック。
そしていきなりAメロに入る前にBAKIの、
♪アイヤイヤイヤァ~
だもんな。
歌詞は多分中学生くらいの英語力があれば英訳できるレベル。
自分たちで正しい英訳ができて、当時これで海外進出を狙っていたとしたら、もはやパンクである。
オムニバスCD「アコースティック不法集会」に収録されたBAKIのソロバージョンを、家にいる時はだいたい1日1回は聞いている。